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2014.04.06 (Sun)

10(テン)年代のあらびき団としての有吉反省会と毒蝮三太夫

笑っていいともが盛大なグランドフィナーレを迎え、ダウンタウンととんねるずが歴史的な競演を果たしていたその頃、裏番組の汐留沼地では、いいともに出たかったなあと司会者がしみじみ語り、「羽田惠理香」が「はねだえりか」へと、どうでもいい改名をしたことを反省していた。

有吉反省会の話である。

有吉反省会は、2013年4月から日本テレビ系列で毎週日曜22時30分に放映されているバラエティ番組。ちなみに、その時間帯は、かつて進め!電波少年が一世を風靡していた枠でもある。

毎回、芸能人やスポーツ選手が様々なことを反省し、有吉弘行と三人の見届け人がそれに対してつっこみを入れ、最後には「禊のお時間」として罰ゲームが課される。

反省する有名人は大御所芸能人から全く無名のグラビアアイドルまで幅広く、また、その反省内容も「整形告白」から「芸能界で一番ヒマ」まで大小さまざまである。

しかし、ひとつひとつの反省はとるに足らない話であっても、いちいち細部をほじくりかえし、MCの有吉弘行が的確な叩き・いなし・嘲りを駆使することでそれは笑いになっていく。いや、寧ろ、とるに足らないどうでもいい話であればあるほど、大きい笑いを生む。

この構造は、2007年に始まり2011年に惜しまれながら地上波放送を終了した「あらびき団」に似ている。

ときには、ただ「メタボリックであることを叫ぶだけ」だったり、「おばあちゃん芸人が台詞を忘れる」だけであったりする「あらびき芸」を意地悪きわまりない演出とレフト藤井(藤井隆)・ライト東野(東野幸治)のMCで笑いに換えていたあの番組である。

当時、ある芸人が他のネタ番組オーディションであらびき団と同じパフォーマンスをしたところ「ネタをやってください」と言われたという逸話が示す通り、事実上あらびき団はネタ番組ではなかった。料理人であるスタッフとMCが、どんな材料であっても料理する、カテゴライズするならば料理番組だったのかもしれない。

有吉反省会における料理の材料は、あらびき団から更に一歩進んで、もはや芸ですらない。
「ゴーヤに夢中になる川崎麻世」「ペットのふくろうが何より大事な浅倉大介」「盗難被害ネタで仕事をとる桑マン」
ネットのまとめサイトでも一瞬でスルーされてしまうようなこれらのどうでもよいことを、有吉は手を抜かず、一流の腕で料理するのだ。

露骨な売名には軽蔑を、くだらないネタには真剣なつっこみを、久しぶりにメディアに登場したアイドルには「ばばあ呼ばわり」を。各種素材が一番面白くなるように会話を広げていく。

今回のいいとも裏の有吉反省会スペシャルで、5年ぶりにバラエティに登場した泰葉が、こんな有吉の本質をついた一言を言っている。

「有吉さん、やっぱり愛がある。ビシバシ叩かれてても愛がありますね」

今回の泰葉の出演自体は、本人が必要以上にリアルに反省していたため不完全燃焼だったが、元々5年ぶりにバラエティ出演するにあたって弟こぶ平が言ったという「有吉には根底に愛があるから大丈夫」を裏付けるようなこの発言には意味があった。

かつて、有吉自身がラジオで話したように「あの人は今」のような番組は、過去の栄光を美辞麗句で持ち上げることで、かえって過去の人であることを強調し、さげすむというおためごかし構造である。

有吉はそれを十二分に認識しているからこそ、食材としてまな板に自ら載って来た芸能人には、容赦ない切れ味で包丁をふるう。過去をぬるま湯につけるより、現在のアツアツの熱湯をぶっかける。そうすることが、一番本人にとってうれしいことを知っているからだ。

だからこそ、多くの芸能人が、この番組で恥をさらし、反省をして、嬉々として有吉に身を委ねる。
そういった意味では、有吉弘行は芸能人にとっての毒蝮三太夫ともいえる。

たとえ「汚ねえ顔したばばあだな」と言われようとも、その発言に「愛」を感じて群がる妙齢のご婦人たちのように、これからも数多くの芸能人が、この番組で反省をするだろう。

しかしどんな材料が来ても有吉は料理するはずだ。
毎日、どんな各地のじじい、ばばあが来ても、罵倒しながら笑って握手するまむちゃんのように。

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