2015.01.24 (Sat)
日本のパロディ音楽芸の火は消えない
少し古い話だが、年始に放映されたゴッドタンの芸人マジ歌選手権について書きたいと思う。
とはいえ、その内容についてはもう色々なところで書かれているので、細かくは触れない。
ここで言いたいのは、パロディ音楽芸というジャンルの今後についてである。
ご存知の通り、以前からマジ歌選手権では、有名なアーティストのパロディ曲が多数披露されてきた。
フットボールアワー後藤のBLANKY JET CITY風の曲、角田バンドの佐野元春風の曲、そして現代のパロディ音楽の旗手マキタスポーツのビジュアル系バンド風の曲などである。
それらは、芸人が特徴あるアーティストを本格的になぞればなぞるほど、歌詞世界とのギャップで面白くなる鉄板の構図であり、マジ歌の骨幹をなしているジャンルと言える。
しかし、私は、今回のマジ歌があるまでは、このパロディ音楽芸に対して危機感を持っていたのだ。
-----
この文章でいう「パロディ音楽芸」とは「真面目かつ本格的にその人風の音楽をやりながら、笑いをとる」芸のことである。広義で捉えれば、モノマネや替え歌まで入れるべきなのかもしれないが、ここではもう少し狭く考える。
日本におけるこの芸の第一人者は、間違いなくとんねるずである。
歴史を紐解けば、原曲サイドからの抗議により即廃盤となったタモリの『タモリの戦後日本歌謡史』などもあるし、海外でいえばアル・ヤンコビックなどもいるのだが、徹頭徹尾これをやりきったという意味では、とんねるずが最強なのは異論がないだろう。
近年、とんねるずは音楽活動自体をしていないし、シングル曲としてはあまりこういう側面は見せていなかったので意外に思う人もいるかもしれないが、アルバムでは(とくに初期は)パロディ芸のオンパレードである。
たとえば、1985年のアルバム「仏滅そだち」でいえば「チェックのシャツでボンヨヨヨーン」はイントロでわかるチェッカーズパロディであり、「Shikato」は佐野元春パロディである。
その後も、とんねるず(およびそのスタッフ)はコンスタントにパロディ曲を作り続け、12枚目のアルバム「ほのちゃんにはがはえた」13枚目のアルバム「みのもんたの逆襲」あたりは、ほぼ全ての収録曲がパロディであった。
パロディとなる対象も、ローリングストーンズ、安全地帯、アリス、矢沢永吉、小田和正、山下達郎、TM NETWORKなど大御所や人気のアーティストばかり。無駄に高い再現性と詞のくだらなさが、とんねるずパロディ芸の真骨頂であった。
-----
パロディ音楽芸というのは、元ネタがあってはじめて成立する芸である。
そして、元ネタというのは誰もが知っているものでなくてはならない。
私が、このジャンルの行く末に危機を感じるのは、近時の日本において、誰もがその特徴を知るアーティストというのが減っているから、である。
モノマネだったら、声が似ていれば、顔が似ていれば、特徴をとらえていれば、それでいい。
しかし、パロディ音楽芸は、大勢の人に「○○っぽい音楽」と思わせるアーティスト固有の色が必要だ。
芸人はたくさんいても、パロディ元の音楽が衰退してしまえば、パロディ音楽芸は成り立たなくなる。
結果として、これまで、マジ歌選手権も「過去の大物」のパロディに終始してきた。
誰もが知っているかどうかわからない人のパロディをするよりも、確実に誰もが知っている人のパロディをする方が安全である。保守的になるのはやむを得ないことだが、それでは未来に向けてストックを食いつぶすだけだ。
そういった意味で、今回のマジ歌において大きな意味があったのは、「マスタニー」でも「鹿賀丈史」でも「ラジオスター」でもなく、角田バンドとロバート秋山のパートである。
今回、角田バンドは「ゲスの極み乙女」風の歌、そしてロバート秋山(の前半)は「SEKAI NO OWARI」風の歌を披露した。いずれも「最近人気のアーティスト」であるところに意義がある。
とくに「SEKAI NO OWARI」については、昨年4月に「しゃべくり007」に登場した際、百戦錬磨の芸人もやや腫れ物に触るような対応をしたくらいであり、題材とするのは勇気がいったはずである。
しかし秋山は、堂々とトランシーバーマイクで「ギムスの時計台目指し 聖地コピュリアン この地球(ほし)さ」と歌ってみせた。
パロディに足るキャラクターを持ったアーティストが新たに登場してヒットを飛ばし、それを芸人が全力でパロディにする。このサイクルが健全に回るならば、マジ歌選手権はまだまだ歴史を重ねられる。
そんなことを考えた正月であった。
-----
尚、芸人の世界とは全く異なるジャンルで、極めて高いクオリティを見せているパロディ音楽芸として、戦国鍋TVも挙げておきたい。番組自体はすでに終了したが、昨年末に全く同コンセプトの「世界史ちゃんTV」が復活放映している。
とはいえ、その内容についてはもう色々なところで書かれているので、細かくは触れない。
ここで言いたいのは、パロディ音楽芸というジャンルの今後についてである。
ご存知の通り、以前からマジ歌選手権では、有名なアーティストのパロディ曲が多数披露されてきた。
フットボールアワー後藤のBLANKY JET CITY風の曲、角田バンドの佐野元春風の曲、そして現代のパロディ音楽の旗手マキタスポーツのビジュアル系バンド風の曲などである。
それらは、芸人が特徴あるアーティストを本格的になぞればなぞるほど、歌詞世界とのギャップで面白くなる鉄板の構図であり、マジ歌の骨幹をなしているジャンルと言える。
しかし、私は、今回のマジ歌があるまでは、このパロディ音楽芸に対して危機感を持っていたのだ。
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この文章でいう「パロディ音楽芸」とは「真面目かつ本格的にその人風の音楽をやりながら、笑いをとる」芸のことである。広義で捉えれば、モノマネや替え歌まで入れるべきなのかもしれないが、ここではもう少し狭く考える。
日本におけるこの芸の第一人者は、間違いなくとんねるずである。
歴史を紐解けば、原曲サイドからの抗議により即廃盤となったタモリの『タモリの戦後日本歌謡史』などもあるし、海外でいえばアル・ヤンコビックなどもいるのだが、徹頭徹尾これをやりきったという意味では、とんねるずが最強なのは異論がないだろう。
近年、とんねるずは音楽活動自体をしていないし、シングル曲としてはあまりこういう側面は見せていなかったので意外に思う人もいるかもしれないが、アルバムでは(とくに初期は)パロディ芸のオンパレードである。
たとえば、1985年のアルバム「仏滅そだち」でいえば「チェックのシャツでボンヨヨヨーン」はイントロでわかるチェッカーズパロディであり、「Shikato」は佐野元春パロディである。
その後も、とんねるず(およびそのスタッフ)はコンスタントにパロディ曲を作り続け、12枚目のアルバム「ほのちゃんにはがはえた」13枚目のアルバム「みのもんたの逆襲」あたりは、ほぼ全ての収録曲がパロディであった。
パロディとなる対象も、ローリングストーンズ、安全地帯、アリス、矢沢永吉、小田和正、山下達郎、TM NETWORKなど大御所や人気のアーティストばかり。無駄に高い再現性と詞のくだらなさが、とんねるずパロディ芸の真骨頂であった。
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パロディ音楽芸というのは、元ネタがあってはじめて成立する芸である。
そして、元ネタというのは誰もが知っているものでなくてはならない。
私が、このジャンルの行く末に危機を感じるのは、近時の日本において、誰もがその特徴を知るアーティストというのが減っているから、である。
モノマネだったら、声が似ていれば、顔が似ていれば、特徴をとらえていれば、それでいい。
しかし、パロディ音楽芸は、大勢の人に「○○っぽい音楽」と思わせるアーティスト固有の色が必要だ。
芸人はたくさんいても、パロディ元の音楽が衰退してしまえば、パロディ音楽芸は成り立たなくなる。
結果として、これまで、マジ歌選手権も「過去の大物」のパロディに終始してきた。
誰もが知っているかどうかわからない人のパロディをするよりも、確実に誰もが知っている人のパロディをする方が安全である。保守的になるのはやむを得ないことだが、それでは未来に向けてストックを食いつぶすだけだ。
そういった意味で、今回のマジ歌において大きな意味があったのは、「マスタニー」でも「鹿賀丈史」でも「ラジオスター」でもなく、角田バンドとロバート秋山のパートである。
今回、角田バンドは「ゲスの極み乙女」風の歌、そしてロバート秋山(の前半)は「SEKAI NO OWARI」風の歌を披露した。いずれも「最近人気のアーティスト」であるところに意義がある。
とくに「SEKAI NO OWARI」については、昨年4月に「しゃべくり007」に登場した際、百戦錬磨の芸人もやや腫れ物に触るような対応をしたくらいであり、題材とするのは勇気がいったはずである。
しかし秋山は、堂々とトランシーバーマイクで「ギムスの時計台目指し 聖地コピュリアン この地球(ほし)さ」と歌ってみせた。
パロディに足るキャラクターを持ったアーティストが新たに登場してヒットを飛ばし、それを芸人が全力でパロディにする。このサイクルが健全に回るならば、マジ歌選手権はまだまだ歴史を重ねられる。
そんなことを考えた正月であった。
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尚、芸人の世界とは全く異なるジャンルで、極めて高いクオリティを見せているパロディ音楽芸として、戦国鍋TVも挙げておきたい。番組自体はすでに終了したが、昨年末に全く同コンセプトの「世界史ちゃんTV」が復活放映している。
2014.11.02 (Sun)
芸能界で女性がおっぱいを揉まれてもよい状況についての考察

上図は10月13日放送の「5時に夢中」における一場面である。
公衆の面前で、48歳の女性が42歳の男性に乳をもまれている。
しかし48歳の女性は恥ずかしがるどころか、寧ろ嬉しそうである。
というか積極的に乳をもまれにいっている。
なぜなら42歳の男性の心は女性だからである。
いやここでちょっと冷静に考えてみよう。
これは心が同性ならばよいという問題なのだろうか。
確かに「ゴッドタン」における松丸アナのおっぱいチェックや、AKB系列アイドル同士のたわむれなど、女性同士であればおっぱいをもむことは何ら問題ないという空気がテレビの世界にはある。
そもそも女性同士なら本当に問題がないかというのも、かなり個人差があると思うのだが、更に芸能界の場合、数多いるオネエ的存在が事態を複雑化させている。
オネエの方々の中でも、外見がほぼ完全に女性、外見がほぼ男性、性別不詳といったバリエーションがあるうえ、グレーゾーンの方々の扱いなどまで考えると、ひじょうに境目がぼやけてくる。
恐らく、ほとんどの芸能人女性は、佐藤かよにおっぱいを揉まれても抵抗がないであろうが、クリス松村だとどうだろうか。あるいは三ツ矢雄二だとどうなのか。微妙な境界事例がここに生まれてくる。
ならばここでいう心理的な境目は「相手が自分のおっぱいに性的関心を持っているかどうか」だという仮説はどうだろう。
類似事象として存在する「あたし、ピーコさんの前だと普通に着替えてますよ」的なシチュエーションを考えると、ここに境目が存在するというのは有力な説である。これならば多くのオネエの方々は「抵抗がない」方に入る。
その他考えられる境界事例としては「8歳の男の子」「100歳のおじいちゃん」などが挙げられるだろう。100歳のおじいちゃんに1ミリも性的関心がないかは微妙とはいえ、低年齢の男の子については(児童ポルノ問題はともかくとして)河西智美の事例があるので、心理的には揉まれても大丈夫ゾーンに入るのではないだろうか。ちんちんに毛が入る前の男の子が女湯に入っても許されることを考えると、基本的には、ここに境目を置いても良さそうではある。
しかし、ことはそれだけでは済まない。揉まれている状況の「画面(えづら)」もひじょうに重要なファクターだと考えられるからである。
客観的にみた場合、たとえ相手が性的関心がないことがはっきりしている場合でも、揉んでいるサイドの外見によっては、抵抗感が生じるケースがある。
例えば、同性でありながら、神取忍におっぱいを揉まれる場合は、やはり若干のもやもやとした気持ちを感じるのではないだろうか。
着ぐるみなどで考えてみるのもわかりやすい。着ぐるみにおっぱいを揉まれるシチュエーションはあまりないかもしれないが、例えば可愛らしいキャラの着ぐるみを着た人には平気でハグをする女性が多い。中に入っているのは性欲のかたまりのような男性かもしれないのに、である。逆におっさん的なキャラの着ぐるみの場合は、たとえ中に入っているのが女性だったとしても抵抗感があるだろう。
更には、揉まれる側の女性サイドの「自身のおっぱいへの評価」というのも要素として考慮しなくてはならない。上の松本明子の例がそうなのかもしれないが、大きさ、年齢などによって、自己評価が下がり、揉まれてもまあいいや、という境地に達するケースもあるように思われる。
ただ、芸能人の場合「自身のおっぱいへの評価が下がる」=揉まれてもいいや、という方向だけではなく、「自身のおっぱいに自信を持っているからこそ揉ませる」というケースもある。
これは芸能人特有の、揉まれた方が自分の特徴を見せられる=「おいしい」場面における心理状況である。グラビアアイドルなどでは、そこで揉まれることによる同性の「やわらかーい」「弾力がすごーい」等の感想が、「ニセ乳の否定」や「若さのアピール」になるのだ。
若干心理としては異なるが、女芸人がネタのために乳を揉ませたりするケースも、類似したシチュエーションといえよう。女を捨てているというケースももちろんあるが、ネタの面白さ=その場のおいしさ>女としての自分という図式によるものと思われる。
単純なように見える女性がおっぱいを揉まれてもよい範囲というのは、とくに芸能界においては、かなり多くの要因に縛られることになる。
無理矢理数式っぽく書くと
L=揉む方のおっぱいへの性的関心(−1〜+1)
y=揉まれる方の年齢
O=揉む方の外見(女性的をマイナス、男性的をプラス、ファンシーをマイナス)
γ=芸能人的なおいしさ(おいしい場面)
OPM値=L × (100−y) + O − γ
OPM値<0の場合、おっぱいを揉まれても可、という感じだろうか。
今後は「ピーターの別荘では男も女もいっしょに風呂にはいっている」「misonoはいつも大阪にいくときはタムケンの家に泊まっているが妹みたいなものなのでOK」などの事象についても、考察していきたい。
2014.08.23 (Sat)
八代亜紀はなぜ伊勢佐木町ブルースのスキャット部分をシュビドゥバと歌うのか
先日のテレビ東京「木曜8時のコンサート」。八代亜紀の伊勢佐木町ブルースは、またしてもシュビドゥバであった。
ご存知の通り「伊勢佐木町ブルース」は青江三奈の1968年の大ヒット曲。
日本レコード大賞歌唱賞を受賞した他、歌の舞台イセザキモールに歌碑があることでも有名である。
冒頭の「あん、あん」という喘ぎ声が特徴的な曲であるが、今回取り上げるのはその話ではない。
曲の後半「恋と情けの」の後のスキャット部分が問題なのだ。
適当に歌っているように聞こえるが、歌詞はちゃんとある。
「ドゥドゥビ ドゥビドゥビ ドゥビドゥヴァー」である。
レコード音源では、当然このとおり歌っている。
(56秒あたり)
曲のこういう部分は、歌い込んで行くうちにグダグダに変わって行くのだが、発売から14年後の1982年紅白のバージョンでも、青江三奈はちゃんと歌っている(ちょっと「ドゥ」が「ジュ」になりがちだが)。
(59秒あたり)
この曲は数多くの人がカバーしているのだが、「おふくろさん」騒動でも名高い川内康範の作詞ということもあってか、スキャット部分もみなちゃんと「ドゥドゥビ ドゥビドゥビ ドゥビドゥヴァー」と歌っている。
例えば徳永英明も正当派にドゥビドゥバである。
(56秒あたり)
しかし、そんな中、八代亜紀だけはなぜかこの部分を必ず「シュドゥビ ドゥビ ドゥビ シュビドゥヴァー」と歌うのである。
(3:26あたり)
更には青江三奈の目の前でもシュビドゥバなのだ。
(1:00あたり)
青江三奈が目の前でちゃんとドゥビドゥバで歌っているにも関わらず、亜紀はシュビドゥバで通す。
そして、今週、2014年も半ばになっても八代亜紀はシュビドゥバだった。
オリジナリティを出したいのか。それとも、八代亜紀にはそう聞こえているのか。
考えていたときにもうひとつ見つけた。
(1:05あたり)
なんと小林幸子もシュビドゥバ派だったのだ。
しかし、八代亜紀が「シュドゥビ ドゥビ ドゥビ シュビドゥヴァー」なのに対して、「シュドゥビ ドゥビ ドゥビ ドゥビドゥヴァー」と後半ドゥビドゥバに戻している。いわば折衷案である。
演歌界にはびこる伊勢佐木町ブルースシュビドゥバ派。
川内康範が存命なら、耳毛をなびかせながら叱責したかもしれないが、もう彼はこの世にいない。
そして元歌を正しく歌っていた青江三奈ももういない。
今後も歌い継がれるであろうこの曲で、今後シュビドゥバ派が優勢となるのか、それとも原理主義のドゥビドゥバ派が巻き返すのか。見守っていきたい。
ご存知の通り「伊勢佐木町ブルース」は青江三奈の1968年の大ヒット曲。
日本レコード大賞歌唱賞を受賞した他、歌の舞台イセザキモールに歌碑があることでも有名である。
冒頭の「あん、あん」という喘ぎ声が特徴的な曲であるが、今回取り上げるのはその話ではない。
曲の後半「恋と情けの」の後のスキャット部分が問題なのだ。
適当に歌っているように聞こえるが、歌詞はちゃんとある。
「ドゥドゥビ ドゥビドゥビ ドゥビドゥヴァー」である。
レコード音源では、当然このとおり歌っている。
(56秒あたり)
曲のこういう部分は、歌い込んで行くうちにグダグダに変わって行くのだが、発売から14年後の1982年紅白のバージョンでも、青江三奈はちゃんと歌っている(ちょっと「ドゥ」が「ジュ」になりがちだが)。
(59秒あたり)
この曲は数多くの人がカバーしているのだが、「おふくろさん」騒動でも名高い川内康範の作詞ということもあってか、スキャット部分もみなちゃんと「ドゥドゥビ ドゥビドゥビ ドゥビドゥヴァー」と歌っている。
例えば徳永英明も正当派にドゥビドゥバである。
(56秒あたり)
しかし、そんな中、八代亜紀だけはなぜかこの部分を必ず「シュドゥビ ドゥビ ドゥビ シュビドゥヴァー」と歌うのである。
(3:26あたり)
更には青江三奈の目の前でもシュビドゥバなのだ。
(1:00あたり)
青江三奈が目の前でちゃんとドゥビドゥバで歌っているにも関わらず、亜紀はシュビドゥバで通す。
そして、今週、2014年も半ばになっても八代亜紀はシュビドゥバだった。
オリジナリティを出したいのか。それとも、八代亜紀にはそう聞こえているのか。
考えていたときにもうひとつ見つけた。
(1:05あたり)
なんと小林幸子もシュビドゥバ派だったのだ。
しかし、八代亜紀が「シュドゥビ ドゥビ ドゥビ シュビドゥヴァー」なのに対して、「シュドゥビ ドゥビ ドゥビ ドゥビドゥヴァー」と後半ドゥビドゥバに戻している。いわば折衷案である。
演歌界にはびこる伊勢佐木町ブルースシュビドゥバ派。
川内康範が存命なら、耳毛をなびかせながら叱責したかもしれないが、もう彼はこの世にいない。
そして元歌を正しく歌っていた青江三奈ももういない。
今後も歌い継がれるであろうこの曲で、今後シュビドゥバ派が優勢となるのか、それとも原理主義のドゥビドゥバ派が巻き返すのか。見守っていきたい。
2014.08.15 (Fri)
最強の飛び道具を「再発掘」したNHK〜はに丸最強説
「はに丸ジャーナル」で25年ぶりにNHKに帰って来た「はに丸王子」。
一言で言うと圧巻の再デビューであった。
「はに丸ジャーナル」の元ネタ「おーい!はに丸」は1983年から89年までNHK教育で放送された番組で、ハニワのはに丸王子とひんべえが、現世で言葉を学んで行く内容。
知らない言葉を聞くと「はにゃ?『遊ぶ』ってなあに?」「はにゃ?『におい』ってなあに?」と直球で質問するはに丸に、三波豊和扮する神田君など周囲の人々が巻き込まれて行く展開が常であった。元々「おーい!はに丸」は3歳児がターゲットの番組であったが、ハニワモチーフのキャラクターと「はにゃ?」というフレーズのキャッチーさで、多くの世代に認知されていた。
時は流れて2014年。突如、はに丸王子が、大人向けの社会番組「はに丸ジャーナル」のジャーナリストとして復活した。
1ヶ月半ほど前に「はに丸ジャーナル」のタイトルを聞いた際は、週刊こどもニュースのような、子供向けにわかりやすく加工したニュース番組ではないかと思っていたのだが、オンエアされた番組は、無邪気さを武器に無表情で世相を斬る「はに丸無双」としか言いようの無い内容であった。
まずは、現代人のスマホ依存についてのレポート。
25年ぶりにこの世に現れたはに丸にとって、当然スマートフォンは謎の物体。
「現代のおともだちは四角い何かを持ってる……味のりかな?」の一言で、はに丸王子の天然っぷり未だ健在をがっちりアピール。
その後は「おともだちがキカイに操られている!」のテーマのもと、スマホ依存の現代人に「お金をいくらもらえたら、スマホ1週間取り上げられてもいい?」など、ゲスで直球な質問を投げかけるはに丸王子。スマホは便利だけど、便利なものに依存していくことの危うさを徐々にあぶりだしていく。
勢いに乗ったはに丸は、現代の便利さを生み出す源、googleへ会社訪問。
「なんでも便利になったら人間はなまけものになっちゃうんじゃないの?」「もう充分便利だと思うんだよね。どうしてそんなにがんばるの?」と畳み掛けるはに丸王子に、インタビューを受けた開発本部長はしどろもどろ。「たじたじ」という言葉がここまで似合うシチュエーションはなかなか思い浮かばぬほどの状況に戦慄が走る。
その後も鳥越俊太郎を「しゅんちゃんは?」と呼んでみたり、「聞く力」がベストセラーとなった阿川佐和子に「もうかった?もうかった?」と質問するなどやりたい放題。
最初から最後まで、はに丸ワールドで番組は終了した。
私は思った。この番組において、はに丸が最強のジャーナリストであることが如実に証明された、と。
はに丸が最強な理由はいくつか挙げられる。
まずは「はに丸が子供のキャラクターであること」。
はに丸は設定上は5〜6歳の子供である。従って、どんなに大人びた質問をされようが、相手は子供に話すような対応が求められる。
現に今回の「はに丸ジャーナル」出演者はみな「はに丸くん、それはね。こういうことなんだよー」と明らかに子供を諭すような口調になっていた。
よく年に一回くらい「こども記者の質問に、首相タジタジ」というような新聞記事が出るが、それと同じで「子供は何を聞いても許される」「子供がどんな失礼な質問をしても、それにキレる大人は、大人げなく見える」という構図が出来上がっている。したがって、インタビューを受けた者は全員、はに丸からどんな質問をうけても、どれほど失礼な態度をされても、5歳の子供に接するように真摯にわかりやすく答えなくてはならないのだ。(ちなみに、はに丸の声の田中真弓さんは来年還暦を迎える)
また「はに丸は何も知らない」ということも強みである。
現代日本人は、なまじ色々なことを知っているだけに、オブラートに包んだり、空気を読んだりと、気を使う。
それに対して、ものを知らないことは強い。空気を読めないとか空気を読まないとかいう問題でなく、全ての質問がど真ん中直球でいいのだ。はにゃ?空気ってなあに?である。
昔、「ここがヘンだよ日本人」という日本人同士では言いづらい日本のおかしなところを、外国人の口を使って言わせていた番組があったが、それと同じで、直接は言いづらい質問を、何も知らない埴輪の口から言わせられるのだ。
以前から言われるように、現代日本においては、メディアはタブーに触れることに臆病になっている。
また、政治家も芸能事務所も、メディアとは持ちつ持たれつの関係となっているため、お互いが嫌なことはしない、聞かない、という状況がそこかしこで生まれている。
そんな中、何者も恐れず「聞きづらいことを敢えて聞く」スタンスで、選挙特番のたびに存在感を示していた池上彰。しかし、彼も、近年、徐々に研究され、対策をうたれ始めている。
公明党は明らかにインタビュー前に池上対策シミュレーションをしているようだし、池上インタビュー拒否を明確にする議員も増えた。
そこで、はに丸である。
百戦錬磨の政治家でも「はにゃ?どうして法律をそうやって解釈するの?」「どうしてこの間言ってたことと違うの?」「何で政治家になったの?」「政治家って儲かる?」と直球でハニワに聞かれることには慣れていない。同じ質問を番記者に聞かれれば、むっとして無視を決め込めばいいが、ハニワにはそうはいかない。
官僚的回答をしても、問題をすりかえても、はに丸はしつこく畳み掛ける。
たじたじで黙り込む政治家たち。スタジオにカメラが戻ればはに丸王子は言うだろう。
「ひんべえ、何で政治家は、困ると黙るの?」
次の国政選挙、NHKが(ハニワだけに)再発掘した最強のジャーナリストが、選挙特番に登板してくることを期待して止まない。
一言で言うと圧巻の再デビューであった。
「はに丸ジャーナル」の元ネタ「おーい!はに丸」は1983年から89年までNHK教育で放送された番組で、ハニワのはに丸王子とひんべえが、現世で言葉を学んで行く内容。
知らない言葉を聞くと「はにゃ?『遊ぶ』ってなあに?」「はにゃ?『におい』ってなあに?」と直球で質問するはに丸に、三波豊和扮する神田君など周囲の人々が巻き込まれて行く展開が常であった。元々「おーい!はに丸」は3歳児がターゲットの番組であったが、ハニワモチーフのキャラクターと「はにゃ?」というフレーズのキャッチーさで、多くの世代に認知されていた。
時は流れて2014年。突如、はに丸王子が、大人向けの社会番組「はに丸ジャーナル」のジャーナリストとして復活した。
1ヶ月半ほど前に「はに丸ジャーナル」のタイトルを聞いた際は、週刊こどもニュースのような、子供向けにわかりやすく加工したニュース番組ではないかと思っていたのだが、オンエアされた番組は、無邪気さを武器に無表情で世相を斬る「はに丸無双」としか言いようの無い内容であった。
まずは、現代人のスマホ依存についてのレポート。
25年ぶりにこの世に現れたはに丸にとって、当然スマートフォンは謎の物体。
「現代のおともだちは四角い何かを持ってる……味のりかな?」の一言で、はに丸王子の天然っぷり未だ健在をがっちりアピール。
その後は「おともだちがキカイに操られている!」のテーマのもと、スマホ依存の現代人に「お金をいくらもらえたら、スマホ1週間取り上げられてもいい?」など、ゲスで直球な質問を投げかけるはに丸王子。スマホは便利だけど、便利なものに依存していくことの危うさを徐々にあぶりだしていく。
勢いに乗ったはに丸は、現代の便利さを生み出す源、googleへ会社訪問。
「なんでも便利になったら人間はなまけものになっちゃうんじゃないの?」「もう充分便利だと思うんだよね。どうしてそんなにがんばるの?」と畳み掛けるはに丸王子に、インタビューを受けた開発本部長はしどろもどろ。「たじたじ」という言葉がここまで似合うシチュエーションはなかなか思い浮かばぬほどの状況に戦慄が走る。
その後も鳥越俊太郎を「しゅんちゃんは?」と呼んでみたり、「聞く力」がベストセラーとなった阿川佐和子に「もうかった?もうかった?」と質問するなどやりたい放題。
最初から最後まで、はに丸ワールドで番組は終了した。
私は思った。この番組において、はに丸が最強のジャーナリストであることが如実に証明された、と。
はに丸が最強な理由はいくつか挙げられる。
まずは「はに丸が子供のキャラクターであること」。
はに丸は設定上は5〜6歳の子供である。従って、どんなに大人びた質問をされようが、相手は子供に話すような対応が求められる。
現に今回の「はに丸ジャーナル」出演者はみな「はに丸くん、それはね。こういうことなんだよー」と明らかに子供を諭すような口調になっていた。
よく年に一回くらい「こども記者の質問に、首相タジタジ」というような新聞記事が出るが、それと同じで「子供は何を聞いても許される」「子供がどんな失礼な質問をしても、それにキレる大人は、大人げなく見える」という構図が出来上がっている。したがって、インタビューを受けた者は全員、はに丸からどんな質問をうけても、どれほど失礼な態度をされても、5歳の子供に接するように真摯にわかりやすく答えなくてはならないのだ。(ちなみに、はに丸の声の田中真弓さんは来年還暦を迎える)
また「はに丸は何も知らない」ということも強みである。
現代日本人は、なまじ色々なことを知っているだけに、オブラートに包んだり、空気を読んだりと、気を使う。
それに対して、ものを知らないことは強い。空気を読めないとか空気を読まないとかいう問題でなく、全ての質問がど真ん中直球でいいのだ。はにゃ?空気ってなあに?である。
昔、「ここがヘンだよ日本人」という日本人同士では言いづらい日本のおかしなところを、外国人の口を使って言わせていた番組があったが、それと同じで、直接は言いづらい質問を、何も知らない埴輪の口から言わせられるのだ。
以前から言われるように、現代日本においては、メディアはタブーに触れることに臆病になっている。
また、政治家も芸能事務所も、メディアとは持ちつ持たれつの関係となっているため、お互いが嫌なことはしない、聞かない、という状況がそこかしこで生まれている。
そんな中、何者も恐れず「聞きづらいことを敢えて聞く」スタンスで、選挙特番のたびに存在感を示していた池上彰。しかし、彼も、近年、徐々に研究され、対策をうたれ始めている。
公明党は明らかにインタビュー前に池上対策シミュレーションをしているようだし、池上インタビュー拒否を明確にする議員も増えた。
そこで、はに丸である。
百戦錬磨の政治家でも「はにゃ?どうして法律をそうやって解釈するの?」「どうしてこの間言ってたことと違うの?」「何で政治家になったの?」「政治家って儲かる?」と直球でハニワに聞かれることには慣れていない。同じ質問を番記者に聞かれれば、むっとして無視を決め込めばいいが、ハニワにはそうはいかない。
官僚的回答をしても、問題をすりかえても、はに丸はしつこく畳み掛ける。
たじたじで黙り込む政治家たち。スタジオにカメラが戻ればはに丸王子は言うだろう。
「ひんべえ、何で政治家は、困ると黙るの?」
次の国政選挙、NHKが(ハニワだけに)再発掘した最強のジャーナリストが、選挙特番に登板してくることを期待して止まない。
2014.06.20 (Fri)
出来れば傷つかずに生きたい人に「今日もひとり、ディズニーランドで」
![]() | 今日もひとり、ディズニーランドで (2014/04/06) ワクサカソウヘイ 商品詳細を見る |
人は傷つきたくない生き物である。
いや、一般化するのはやめよう。
私は傷つきたくない人間である。
小さい頃から誰かに傷つけられるのが人一倍嫌いであった。
よく言えば繊細。悪く言えば臆病。もっと悪く言えばチキン。
むきだしのエゴが渦巻く子供社会の理不尽さに馴染めず、大人とばかり話す子供。
好きな子がいて、相手からも見え見えのサインが来ているのに告れない中学生男子。
同じ会社の人とエレベータの中で二人きりにならぬよう階段で帰るサラリーマン。
エゴサーチをして自分の悪口を言っている人に反論する勇気もなく、心の中で呪詛を投げるモノ書き。
どれも、みんな私だ。
いや、人の自虐ネタなど誰も読みたくないのは知っている。
しかし、この文章は自虐テキストではない。書評なのである。
ワクサカソウヘイ著「今日も一人、ディズニーランドで」を読んだ。
コント作家やコラム作者として既に有名な著者の初の書き下ろし小説は、著者自身の実体験に基づく。
引きこもりの主人公が、ほんのささいなきっかけと、親の目線から逃れたい気持ちから、かの王国の年間パスポートを購入し、ひとりで通うようになる話である。
過剰なほどの芸能喩えと、電車内で読んでいて吹き出さざるを得ないあるあるエピソードの数々から、一見、お笑い小説的なものと勘違いしそうになるが、あにはからんや、これは珠玉の青春小説である。
青春小説といえば、若者が、特有の無鉄砲さと不器用さで事件に立ち向かって行くのが常である。もちろん、障子にチンチン突き立てるみたいな青春小説ばかりではなく、主人公が深く苦悩する青春小説もあるが、基本、事件なり悩みなりに向き合う過程を描くものである。
しかし、本作の主人公は、そういった約束を無視するかのように、徹頭徹尾、全てに向き合わない人間である。
人は社会に出れば傷つけられるものだ。
しかし、傷つきたくない主人公は社会から逃げ、引きこもる。
そして、傷つきたくないから親から逃げる。
傷つきたくないから友達をつくらない。
傷つきたくないから友達がいるふりをする。
傷つきたくないから偶然に会った昔の同級生にうそをつく。
そんな小説である。
私はニート経験は無いし、ディズニーランドのシングルライダー経験もない。
就職しているし、結婚もしているし、親との仲もそこそこ良好である。
しかし、この後ろ向きな主人公の行動一つ一つに、自分の芯にある弱い部分をちくちくと刺激され、共感したくないのに共感させられてしまう。
ちょっとした一言を言うだけなのに、いろいろと考え過ぎて、変な言葉を口走る主人公。
嘘を隠すために、安易な嘘で取り繕い、論破される主人公。
上を見ること無く、下を見て蔑むことで、自分を安心させる主人公。
主人公が心の中で感じる、ささいな葛藤、ささいな優越感、ささいな勇気。
どれもこれもが、自分が社会生活で隠している部分を白日に曝されているようで、嫌悪感を通り越し、笑ってしまう。
そんな傷つきたくない主人公が、逃避して逃避して、最後に辿り着く前向きさは、驚くほどにささやかだけれども、そのささやかさが、リアルで泣ける。それまで笑いをこらえながら読んでいた小説に泣かされるとは不覚、と思うことうけあいである。
本作は、うじうじした主人公のうじうじした小説という意味で「デカダンスのない太宰文学」と喩えたら、言いすぎだろうか。
惜しむらくはこの良作が、かの王国を舞台としているがゆえに、ほぼ100%映像化が無理なことである。
王様のブランチが、ディズニーコーナーに割いている大量の時間のほんの1割くらいでも何とかこちらに融通できないものだろうか。
2014.06.08 (Sun)
発表!六花亭総選挙

北海道菓子のリーディングカンパニー六花亭。
もともとは千秋庵を祖に持ち、のれん分けから、ホワイトチョコ戦争を経て袂を分かつなど出自は複雑ながら、今や本家千秋庵を遥かにしのぐ規模にのし上がった当社。
バター飴や山親爺など、うまいながらもシンプルなお菓子が主流であった北海道菓子世界に「ひとつ鍋」を皮切りにさまざまなギミックを施した菓子を発売。京都等に比べ菓子の歴史の浅い北海道を「北海道といえばお菓子」に引き上げた功労者でもある。
また、六花亭といえばお菓子の種類が多いことでも知られる。それぞれをバラで買うことも出来るし、十勝日誌などセットで売られることもある。更には、季節毎の限定お菓子や、六花亭の本店や一部の店でしか食べられない商品もあわせるとその数はゆうに100を超える。
かくいう私も帯広生まれの札幌育ち。内地の小学生がベビースターラーメンとカバヤのジューCで3時のおやつを過ごしていた頃、リッチランドをかじり、らんらん納豆をほおばっていた六花亭っ子である。
奇しくもAKB総選挙が行われ渡辺麻友が指原莉乃の連覇を阻止したこの日。twitter界隈でひっそりと六花亭総選挙が行われた。
わずか24時間の投票期間にも関わらず、六花亭を愛する200人以上が投票(おそらく六花亭のネット通販売り上げにも少しだけ貢献したかもしれない)。それぞれが熱い思いを1人10票にぶつけた。
さて結果やいかに。
■Twitter六花亭総選挙ルール
・主催者:前川ヤスタカ【@ysmkwa】
・投票期間:2014/6/6 23:19 ~ 2014/6/7 23:00 (AKB総選挙特番終了まで)
・投票対象:六花亭で取り扱っている商品(過去取り扱っていたもの/季節商品も含む)
・投票ルール:1アカウント10票割振自由(「ひとつ鍋5白樺羊羹3百歳2」のように割り振ってもいいし、1つのお菓子に10票ぶちこんでも良し)
・タグ「#六花亭総選挙」を付けてつぶやかれたものが対象。非公開アカウントについては主催前川(@ysmkwa)宛につぶやかれたもののみ拾い。
・投票期間終了後の投票は無効。票数を明示していない投票は無効。10票以上でつぶやかれたものは10票に補正(例:「らんらん納豆10、大地10」とつぶやかれたものは「らんらん納豆5、大地5に補正」。10票以下でつぶやかれたものは有効。食べ物以外を書いたものはその分だけ無効(例:風呂敷3票)
■Twitter六花亭総選挙結果
・投票参加人数:234人
・有効投票数:2,325票
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1位:マルセイバターサンド ・・・579票

2位:大平原・・・221票

3位:霜だたみ・・・186票

4位:チョコレート(ホワイト・モカなど)・・・149票
5位:ストロベリーチョコ(ホワイト・ミルク)・・・135票
6位:雪やこんこ・・・111票
7位:六花のつゆ・・・92票
8位:チョコマロン・・・91票
9位:マルセイキャラメル・・・73票
10位:百歳・・・70票
11位:判官さま(神宮茶屋店限定)・・・43票
12位:おふたりで・・・39票
13位:ひとつ鍋・・・38票
14位:マルセイビスケット・・・34票
15位:六花亭醍醐・・・32票
15位:サクサクパイ(本店限定)・・・32票
17位:べこ餅・・・29票
18位:シーフォームケーキ・・・23票
19位:シュークリーム・・・19票
19位:杏仁豆腐・・・19票
21位:リッチランド・・・18票
22位:大地の滴・・・17票
22位:いつか来た道・・・17票
24位:北の国から・・・15票
25位:ベビーチョコアーモンドヤッホー・・・14票
25位:栗きんとん・・・14票
27位:雪こんチーズ・・・13票
28位:めんこい大平原・・・11票
28位:カンパーナふらの・・・11票
30位:十勝川西長いもシフォン・・・10票
30位:白樺羊羹・・・10票
30位:水無月・・・10票
33位:らんらん納豆・・・9票
33位:どんぐりころころ・・・9票
35位:新米大福・・・8票
35位:ようこそようこそ・・・8票
37位:カラフルマンス・・・6票
37位:ごまプリン・・・6票
37位:夏見舞・・・6票
40位:ルルーン・・・5票
40位:大地・・・5票
40位:桜餅・・・5票
43位:十勝強飯・・・4票
43位:チィチィパッパ・・・4票
43位:コーヒービーンズ・・・4票
43位:トカップロール・・・4票
43位:ブラウニー・・・4票
43位:みかんプリン・・・4票
49位:雪やこんこ まじりっけなし・・・3票
49位:ごろすけホーホー・・・3票
49位:海苔大福・・・3票
49位:冷やししるこ・・・3票
49位:カステラ・・・3票
49位:白桃ゼリー・・・3票
49位:水ごよみ・・・3票
49位:トヨシロ・・・3票
49位:マルセイチーズ&ビスケット・・・3票
49位:田舎まんじゅう・・・3票
49位:かりんとう・・・3票
49位:口切大福・・・3票
61位:どら焼き・・・2票
61位:豆大福・・・2票
61位:オムレツケーキ・・・2票
61位:栗きんつば・・・2票
61位:帯ちゃん広ちゃん・・・2票
61位:豊平・・・2票
67位:ありがたき哉・・・1票
67位:玉がしわ・・・1票
67位:カスタードプリン・・・1票
67位:男爵・・・1票
67位:あんみつ・・・1票
67位:六花の森・・・1票
67位:かしわ餅・・・1票
67位:まくら木・・・1票
67位:ミックスピザ・・・1票
67位:新栗シャンティー・・・1票
67位:青梅・・・1票
ということで、2位に2倍以上の大差をつけ、マルセイバターサンドが貫禄の1位を達成しました。
■講評
★強かったマルセイバターサンド
終わってみれば、やはりマルセイバターサンドは強かったという印象です。
もともとマルセイバターサンドは六花亭の売り上げの約4割を稼ぎだす看板中の看板商品。サンリオキャラクター投票でキティちゃんが1位でないと違和感があるように、おさまるところにおさまった、というのが今回の結果かと思います。
今回はとくに「投票者=北海道在住者」などの制約をつけませんでしたので、全国的に知名度があるマルセイバターサンドの強さが際立ちました。
ちなみに持ち分である10票を全部マルセイバターサンドに突っ込まれた方が16名いらっしゃいましたが、twitterプロフィールを拝見する限りにおいて、非道民11名、不明5名と、明らかに道民と分かる方はひとりもいませんでした。
道民の皆さんは「北海道人としてのプライド」として「マルセイバターサンドに10票」とは入れづらく、且つ、広い選択肢の中からあれもこれも選びたい欲が出てしまった結果、票が割れたという側面があろうと思います。その結果、マルセイバターサンドの独走を許してしまったということかと。
「霜だたみ」「雪やこんこ」「ストロベリーチョコホワイト」も比較的道民以外票に支えられていたようです。
これらはマルセイバターサンド以外で、お土産でもらう六花亭菓子の定番であり、近時の北海道物産展でもプッシュされている商品。所謂運営が推してるお菓子です。これらがお土産票を順当に獲得した結果、いずれも上位フィニッシュとなりました。
余談ですが「マルセイユバターサンド」「霜ばしら」と投票した人が何人か。まだまだ知名度を上げる余地はありそうです。
★元道民が推した大平原とチョコレート
他方、今は内地にいても北海道育ちあるいは北海道に縁のあると思われる人から指示されたのが大平原と板チョコレート。
大平原は、昔からの定番商品ではあるものの、物産展などでは「マルセイバターサンド」や「霜だたみ」などに比べると、見かけることは比較的少ない商品です。
しかし一般のマドレーヌのレベルを遥かに超えたバターの風味と絶妙な甘さ(前川が選ぶ牛乳に合うお菓子第1位)が、道民・元道民から熱い指示を受けていることが今回の選挙でわかりました。
10票全て投じるぶっこみも、マルセイバターサンドに次ぐ7人。堂々の2位です。
板チョコレートについては、コメントで「昔の12個に分かれていたときの」と指定する人が多く、これも皆様の思い入れを感じました(私も昔の形に戻して欲しいと思います)。ホワイト、モカなど味の指定がある方が多かったのですが、集計の都合でまとめました。
とくに、ホワイトチョコについては「六花亭のホワイトチョコを食べると他は食えない」という人が多数おられました。
私の推しメン”ハスカップのにくいやつ”百歳や、チョコマロンなどの歴史ある商品も、かなりの票を獲得。やはり支持されたものが、ちゃんと商品として残っていっているのですね。
★判官さまの躍進と道民感情
冒頭でも述べましたが、六花亭の商品を取り巻く条件は平等ではありません。
(1)全店舗でも売られていて通販も可能な商品
(2)全店舗で売られているが通販は出来ない商品
(3)北海道の店舗でしか売られていない商品
(4)北海道の中でも一部の店舗でしか売られていない商品
(5)北海道の中でも一部の店舗でしか売られておらず店内でしか食べられない商品
という分類に、更に季節ものの要因が加わります。
北海道在住(あるいは頻繁に北海道に行く)の方はこの全てに触れることが出来るため、こういった投票の場面では「土産売り場を見ているだけではわからない六花亭の奥深さ」を紹介したい、と考える傾向にあります。
私も元道民なのでよく理解できますが、たとえばジンギスカンの美味しい店を紹介するに際して「ラムとか言ってるやつは素人、マトン食べてこそジンギスカン」的な、観光客から見ると「そこまで求めてない」おせっかい感情があるのだと思います。
従って、生粋の北海道民に「六花亭?マルセイバターサンドおいしいよね」などと言おうものなら、あなたの知らない六花亭話を延々聞かされることになるかもしれません。
(余談ですが、北海道民に振ると長くなる話として「ザンギの定義」「生ジンギスカンかタレジンギスカンか」などがあります)
今回、そういった部分が出た結果が「判官さま」の上位ランクインかと思います。
六花亭神宮茶屋店限定販売にも関わらず、ひとつ鍋やリッチランドなど定番商品を押さえて堂々の11位。
内地在住の方ではご存知ない人も多いことでしょう。実は私も噂を聞いているだけで、まだ食べたことがありません。今回の結果を見て、興味が出た皆様、是非、食べに行ってみてください。
★その他細かい話
その他、細かい話をいくつか。
- 郭公の里に1票も入らなかったのは少しショックでした。元々が六花亭版山親爺という発想で作られたものとはいえ、現在も通販できる定番商品にも関わらず可哀想。
- 今は売ってない商品でも良いというルールの結果「ルルーン」にも投票が。根強いファンがいるのですね。私も好きでした。
- 万作や十三戸にも1票も入りませんでした。長年にわたって六花亭を支えた功労者なのに。
- 私は六花亭のすごいところは、定番商品であっても別格のレベルに仕上げてくるところだと思っていて、例えばそれはマドレーヌにおける大平原であり、甘納豆におけるらんらん納豆なわけです。そんな中、北海道人のソウルフードべこ餅の最高峰「六花亭べこ餅」にもかなり票が入っていたこと喜ばしく思いました。
- その他皆様の投票・コメントはtogetterでまとめました。どうぞご覧ください。
★投票者数でのランキングとぶっこみランキング
今回のルールはひとり10票の持ち票での配分でしたが、参考にそのお菓子に投票した人数でのランキングも作成しました。
このランキングだと霜だたみが大平原を逆転します。それだけ大平原は思い入れの強い人が多かった、ということかと思います。
【投票者数ランキング】
1位:マルセイバターサンド・・・131人
2位:霜だたみ・・・60人
3位:大平原・・・58人
4位:ストロベリーチョコ(ホワイト・ミルク)・・・43人
5位:雪やこんこ・・・39人
6位:チョコレート・・・35人
7位:チョコマロン・・・29人
8位:百歳・・・24人
9位:マルセイキャラメル・・・23人
10位:六花のつゆ・・・21人
11位:ひとつ鍋・・・17人
12位:おふたりで・・・14人
13位:六花亭醍醐・・・13人
14位:シーフォームケーキ・・・11人
15位:マルセイビスケット・・・10人
15位:サクサクパイ(本店限定)・・・10人
17位:べこ餅・・・9人
17位:判官さま(神宮茶屋店限定)・・・9人
19位:シュークリーム・・・8人
20位:いつか来た道・・・6人
20位:リッチランド・・・6人
22位:めんこい大平原・・・5人
22位:大地の滴・・・5人
22位:北の国から・・・5人
25位:らんらん納豆・・・4人
25位:カラフルマンス・・・4人
25位:栗きんとん・・・4人
25位:雪こんチーズ・・・4人
25位:どんぐりころころ・・・4人
25位:十勝川西長いもシフォン・・・4人
25位:白樺羊羹・・・4人
32位:杏仁豆腐・・・3人
32位:大地・・・3人
32位:海苔大福・・・3人
32位:トカップロール・・・3人
32位:夏見舞・・・3人
37位:ベビーチョコアーモンドヤッホー・・・2人
37位:ごろすけホーホー・・・2人
37位:どら焼き・・・2人
37位:カンパーナふらの・・・2人
37位:コーヒービーンズ・・・2人
37位:桜餅・・・2人
37位:マルセイチーズ&ビスケット・・・2人
37位:みかんプリン・・・2人
46位:十勝強飯・・・1人
46位:ありがたき哉・・・1人
46位:玉がしわ・・・1人
46位:雪やこんこ まじりっけなし・・・1人
46位:ようこそようこそ・・・1人
46位:ごまプリン・・・1人
46位:カスタードプリン・・・1人
46位:豆大福・・・1人
46位:冷やししるこ・・・1人
46位:カステラ・・・1人
46位:チィチィパッパ・・・1人
46位:白桃ゼリー・・・1人
46位:水ごよみ・・・1人
46位:ルルーン・・・1人
46位:オムレツケーキ・・・1人
46位:男爵・・・1人
46位:トヨシロ・・・1人
46位:栗きんつば・・・1人
46位:帯ちゃん広ちゃん・・・1人
46位:水無月・・・1人
46位:あんみつ・・・1人
46位:六花の森・・・1人
46位:かしわ餅・・・1人
46位:まくら木・・・1人
46位:ミックスピザ・・・1人
46位:新米大福・・・1人
46位:新栗シャンティー・・・1人
46位:ブラウニー・・・1人
46位:青梅・・・1人
46位:田舎まんじゅう・・・1人
46位:かりんとう・・・1人
46位:口切大福・・・1人
46位:豊平・・・1人
続いてぶっこみランキング。ここでは六花のつゆへのぶっこみが目立ちました。1ぶっこみのお菓子には思い入れがみなさんありそうです。
【ぶっこみ(1人10票全部その商品に投票)数ランキング】
1位:マルセイバターサンド・・・16ぶっこみ
2位:大平原・・・7ぶっこみ
3位:霜だたみ・・・3ぶっこみ
3位:ストロベリーチョコ(ホワイト・ミルク)・・・3ぶっこみ(ホワイト2・ミルク1)
3位:チョコレート・・・3ぶっこみ
3位:六花のつゆ・・・3ぶっこみ
7位:チョコマロン・・・2ぶっこみ
7位:判官さま・・・2ぶっこみ
9位:雪やこんこ・・・1ぶっこみ
9位:マルセイキャラメル・・・1ぶっこみ
9位:百歳・・・1ぶっこみ
9位:ベビーチョコアーモンドヤッホー・・・1ぶっこみ
9位:マルセイビスケット・・・1ぶっこみ
9位:おふたりで・・・1ぶっこみ
9位:杏仁豆腐・・・1ぶっこみ
9位:北の国から・・・1ぶっこみ
9位:水無月・・・1ぶっこみ
ということで、長々とコメントして参りました六花亭総選挙。
集計はたいへんでしたが(人力なのでミスあったかもしれませんがご容赦ください)、思い入れのあるものだけに、ひじょうに楽しゅうございました。
上記ランクイン商品の多くは通販で取り寄せることができます。
今回の総選挙を通じて興味をもたれた皆様、お取り寄せしてみてはいかがでしょう。
(ちなみに、宣伝でも、アフィリエイト目的でもありません)
六花亭オンラインショップ
第二回六花亭総選挙……があるかどうかはわかりませんが、また何かの企画でお会いしましょう。
前川ヤスタカでした。
2014.06.02 (Mon)
台北のレンタサイクルが素晴らしかった件

旅行スタイルには「観光地をまわる派」と「のんびり過ごす派」の二大勢力がありますが、私はどちらにも属さず「その都市に住んでる人になりきりたい派」です。
スーパーに買い物に行き、地元の人が並ぶお店にふらっと入り、本屋さんで立ち読みをして、歩けるだけ歩いて町を感じる。出来るだけそういう旅であろうとしています。
そんな私にとって、最も必要なもの。それはレンタサイクル。
地下鉄は外が見えないし、歩くのは距離的限界があります。機動的に動くにはやはり街使いの自転車がベスト。
2000年代にパリで始まった都市部のレンタサイクルサービスは、ヨーロッパの国では導入しているところも多くなってきましたが、私が主戦場とするアジアではなかなか普及していなかったのが実態。
で、今回、久しぶりに台北に旅行したところ、レンタサイクルがすっかり普及していて、それはそれは便利だったという話です。
台北のレンタサイクル「youbike」は、台湾が誇る自転車メーカーGiantが全面協力のうえ運営されており、仕組みとしては、ほぼパリのVelibといっしょ。
特徴は(1)街中の至る所にステーションがある(2)プリペイドカードやクレジットカードで借りられる(3)借りた場所に返す必要は無く、ステーションに乗り捨てが出来る(4)近くのステーションの場所や現在の空き状況はリアルタイムでネット・スマホアプリで確認出来る(5)24時間レンタル/返却可能(6)30分10元(30円くらい)という安さ、などなど。
値段や経緯といったところは台北ナビのこの記事をご参照ください。
旅行者は、事前の会員登録いらずでクレジットカードでレンタルするのが気軽でよいのですが、上記台北ナビの記事はやや古く、今はレンタル時の画面展開や返却方法などが異なるので、ここに記しておきます。
台北ナビではICチップ入りのカードを入れたりかざしたりするようなことを書いていますが、もう不要になっています。
<クレジットカードでレンタルする手順>
1.YouBikeウェブサイトやYouBikeアプリなどを使ってステーションを見つけ、そこに行きます。
2.オレンジ色の自転車が並ぶ横に「kiosk」端末があります。タッチパネルで操作できます。以下「kiosk」端末の操作手順です。
(1)メニューから「單次租車」を選択
(2)宣伝画面が出るので「下一頁(單次租車)」を選択
(3)利用条件が出るので「我已閲読以上條款、並同意此條款内容(条件内容を呼んで、同意します)」の横にチェックのうえ「確定」ボタンを押す
(4)支払い方式選択場面が出るので「信用卡付款(クレジットカード支払)」を選ぶ
(5)クレジットカード情報を手入力し(カード番号、期限、セキュリティコード(クレジットカード裏面の番号の一部)、認証(画面に絵で出ている数字を入力))、最後に「確定送出」を押す
(6)しばし待つ。赤い文字でクレジットカード確認中メッセージが出てる間、操作はできません
(7)自動的に次の画面に進むのですぐ乗る場合「前往選車」を押す
(8)説明画面が出るので「下一歩」ボタンを押す
(9)次の画面で「我已清楚了解租還車歩」の横にチェックし「確定」を押す
(10)レンタル可能な自転車の番号が出るので選択する
(11)選択すると確認画面が出るので「確定」を押す
(12)90秒のカウントダウンが出る。これでkioskの操作は終了。
3.指定した番号のスタンドに行き、ぐっと後ろに引き出せばレンタル成功。あとは自由に乗れます。
<クレジットカードでレンタルした自転車を返却する手順>
返却するのは借りたところでなくてもかまいません。だいたいMRTの駅近くにはステーションがあるので、自転車で疲れたなあと思ったらそこで返却してMRTに乗ってもいいですし、そもそもホテルからどこかに行く手段として使ってもいいです。
返却はひじょうに簡単です。ステーションの空いているスタンドの白い線にそって自転車を前に進ませ、鍵の部分をスタンドにカチャッとはめこめば終了。ランプがオレンジのゾーンから、青のゾーンに変わったらOKです。
カードをかざしたりする必要はありません。これだけで終了です。
近々、台北に行く方は是非ご利用をおすすめします。
台北においてレンタサイクルは完全に定着していて、旅行者だけでなく台北市民もかなり利用しています。街を走っているとオレンジ色の自転車を本当によく見かけます。
台北はアジアの他国に比べると交通マナーがかなり良いので、危ない目にもまったくあいませんでした。
ただ、いいことばかり書いても何なので、少し苦労した点も書いておきます。
ひとつは、川を渡るのが苦労すること。市内から川を挟んで北に行こうとしたのですが、自転車が通れる橋が限られています。かなり遠回りをしました。
あとは、ステーションに空きがない場合は返却できないこと(空きがある近くのステーションまで行かないといけません)。今回は幸いにしてそういうことはありませんでしたが、台北在住者に聞くと、そこそこあるとのこと。アプリで状況がリアルタイムにわかるのでチェックするとよいでしょう。
ということで今回たいへん役立った台北レンタサイクル。
バンコックなどでも実験が開始しているようですが、ここまで普及しているのはまだ台北くらいだと思います。アジアの他の都市にもどんどん広がって欲しいものです。
今、私の住んでる上海にも是非欲しいのですが、結構交通マナーが悪いし難しいかもしれませんね。
2014.05.12 (Mon)
ただ人の悪口を言うだけでは芸にならない時代の悪口の言い方
先日、第49回上方漫才大賞に選ばれた笑い飯の哲夫が坂上忍を批判する発言をしたとして、話題になった。
長いのだが産経の記事を引用する。
「テレビで坂上忍ばっかり出さないようにする。本当に面白い上方芸能を出していく!」
おめでたい席で、マイクを向けられた哲夫さんが言い放つと、周囲は一瞬凍りつきました。お祝いに駆けつけた小籔千豊さんがすかさず「ものすごくいい人ですよ。僕メル友ですから」とフォローしたものの、客席からはこの日一番の拍手が起きました。この後行われた受賞会見でも、哲夫さんの“独(毒)演”は止まりませんでした。
「大賞受賞者ということを自負して、今後の上方芸能のリーダーになるべく、まい進していきたい。その小手調べに坂上忍を落としていく」
最初はタレント同士のよくある話と思っていましたが、この後、彼の発言が説得力を帯びて耳に入ってくるのです。
「(僕らの漫才が)国民の皆さんの疲れを癒やせる娯楽になればいい。疲れを癒やすには腹の底から笑うこと。でも、昨今の全国番組を見ていて、他人の悪口を言う“坂上的発言”では皆さんの疲れを癒やせていないのではないか。あの人が出ることで、上方を代表するような芸人の枠が1つ減ります」
「大阪のテレビ局発の全国番組がもっと増えていかないといけない。そういう中で、自分の冠(番組)で発信していけたらと思います。あと15番組ぐらいあっていいと思います」
なかなかの宣戦布告だと思う。
しかし、ここで私が話したいのは、哲夫擁護でも坂上擁護でもなく、現代において人の悪口を芸とすることの難しさ、である。
その昔、1980年漫才ブームの頃、春やすこ・けいこという女性漫才コンビがいた。
彼女達の芸は、やすこが芸能人の悪口をまくしたて、けいこがそれを諌めるというもので、「松田聖子のレコード大賞新人賞な、あれ絶対うそ泣きや、涙一滴も出てへん」「あんた何いうてるん」的なストレートな悪口であった。
当時、やすこ・けいこに対しても、悪口を言われた芸能人ファンから風当たりはあったようだが、当の彼女達は、ただひねりのない悪口を言っていただけにも関わらず、漫才だけでなくドラマ出演、グラビア、レコード発売、など大いに人気を博した。
もちろん彼女達が、そこらのアイドル以上に優れたルックスであったというのも人気の要因ではあったが、ただの罵詈雑言が芸とされていた時代があったのは間違いない。
時は流れて2011年、THE MANZAIで、女性漫才コンビ・チキチキジョニーが決勝進出した。
彼女達が披露したのは、今は1980年か、と見まがうばかりのストレートな女性芸能人悪口漫才で、つっこみの勢いでメガネが落ちるトラブルがウケた以外、正直会場の雰囲気は苦笑いであった。
ネットでもかなりの炎上があり、チキチキジョニーはこの後本気でこの路線で行く気だろうか、と思っていたのだが、最近テレビで見かけた彼女達はいつのまにか、全く正反対の「ブス自虐ネタ」に様変わりしていた。
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プライドさえ捨てれば自虐の方が楽に決まっている。
ネットで一般人が罵詈雑言を書き込める現代において、人の悪口を公に言うには「力」あるいは「技術」が必要になった。
悪口を芸と出来るのは選ばれた人間なのだ。
「力」というのは、相手にも世間にも有無を言わさない圧倒的な権力のことである。これは大御所やご意見番と呼ばれる人にだけ許された特権だ。
対して「技術」というのは「悪口を言うべき人間かを見極める技術」であり、また「反撃を許さない程にひと太刀で相手を斬る技術」である。簡単に言うと「相手にも世間にも、有無を言わせないほど面白い悪口が言える技術」である。
口で言うのは簡単だが、芸能界で、今、この境地に辿り着いているのは有吉弘行ほか数人しか居ない。つまり余程の才能と運がないとダメだということである。
ならば、猛烈な頭の回転の早さで的確な悪口を言う才能がない人間は、一生プライドを捨てて自虐の沼で嗤われるしか無いのだろうか。
いや、何も本人に面と向かって口で言うばかりが悪口ではない。
芸を通じて婉曲に悪口を言うという手段はある。
たとえばモノマネである。
近時、モノマネ芸人に対して、モノマネされた芸能人のファンから抗議が殺到し、ブログが炎上するなどの騒ぎが頻繁に起こっている。そしてその都度「悪意をもってやってなどいません。私は○○さんのことが大好きで、リスペクトしているからこそモノマネしているんです」といったコメントが流される。
こういった表面的なやり取りは炎上をしずめるためのお約束とはいえ、あまり意味のあるものとは思えない。
もちろんモノマネというのは「モノマネされる本人」あっての芸なのだから、「この人がいるからこそ自分の芸は成立している」という敬意は必ず払わねばならない。
しかし、その人の特徴的なところを殊更にあぶり出し、笑える芸にするのだから、悪意がないわけはないのだ。
コロッケが野口五郎の真似をして鼻くそを食べるとき、そこに敬意しかないとは誰も思わないだろう。
モノマネは敬意と悪意、両方が無ければ、面白くならない、そういう芸だ。
ならば、胸を張って「悪意をもってやってます」と言えるくらい、振り切ったモノマネをすればよい。
二度や三度の炎上でくじけずに、悪意と同じくらい大きな敬意を持ってさえいれば、きっと世間はわかってくれる。
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坂上忍は悪口を言うことが許されている人間なのか、ここではそこは判断しない。
しかし、彼は現代において人の悪口をテレビで言うという修羅の道を選んだ。その勇気は評価されるべきだと思う。
ついでに言うと斬られ役として、野々村真を選ぶというチョイスもなかなか素晴らしいと思う。
もしかしたら、力も技術も及ばず、坂上忍バブルは哲夫の言う通り、ゆくゆくははじけるのかもしれない。
だが、それもギャンブラー坂上忍らしくていい。そう思うのだ。
長いのだが産経の記事を引用する。
「テレビで坂上忍ばっかり出さないようにする。本当に面白い上方芸能を出していく!」
おめでたい席で、マイクを向けられた哲夫さんが言い放つと、周囲は一瞬凍りつきました。お祝いに駆けつけた小籔千豊さんがすかさず「ものすごくいい人ですよ。僕メル友ですから」とフォローしたものの、客席からはこの日一番の拍手が起きました。この後行われた受賞会見でも、哲夫さんの“独(毒)演”は止まりませんでした。
「大賞受賞者ということを自負して、今後の上方芸能のリーダーになるべく、まい進していきたい。その小手調べに坂上忍を落としていく」
最初はタレント同士のよくある話と思っていましたが、この後、彼の発言が説得力を帯びて耳に入ってくるのです。
「(僕らの漫才が)国民の皆さんの疲れを癒やせる娯楽になればいい。疲れを癒やすには腹の底から笑うこと。でも、昨今の全国番組を見ていて、他人の悪口を言う“坂上的発言”では皆さんの疲れを癒やせていないのではないか。あの人が出ることで、上方を代表するような芸人の枠が1つ減ります」
「大阪のテレビ局発の全国番組がもっと増えていかないといけない。そういう中で、自分の冠(番組)で発信していけたらと思います。あと15番組ぐらいあっていいと思います」
なかなかの宣戦布告だと思う。
しかし、ここで私が話したいのは、哲夫擁護でも坂上擁護でもなく、現代において人の悪口を芸とすることの難しさ、である。
その昔、1980年漫才ブームの頃、春やすこ・けいこという女性漫才コンビがいた。
彼女達の芸は、やすこが芸能人の悪口をまくしたて、けいこがそれを諌めるというもので、「松田聖子のレコード大賞新人賞な、あれ絶対うそ泣きや、涙一滴も出てへん」「あんた何いうてるん」的なストレートな悪口であった。
当時、やすこ・けいこに対しても、悪口を言われた芸能人ファンから風当たりはあったようだが、当の彼女達は、ただひねりのない悪口を言っていただけにも関わらず、漫才だけでなくドラマ出演、グラビア、レコード発売、など大いに人気を博した。
もちろん彼女達が、そこらのアイドル以上に優れたルックスであったというのも人気の要因ではあったが、ただの罵詈雑言が芸とされていた時代があったのは間違いない。
時は流れて2011年、THE MANZAIで、女性漫才コンビ・チキチキジョニーが決勝進出した。
彼女達が披露したのは、今は1980年か、と見まがうばかりのストレートな女性芸能人悪口漫才で、つっこみの勢いでメガネが落ちるトラブルがウケた以外、正直会場の雰囲気は苦笑いであった。
ネットでもかなりの炎上があり、チキチキジョニーはこの後本気でこの路線で行く気だろうか、と思っていたのだが、最近テレビで見かけた彼女達はいつのまにか、全く正反対の「ブス自虐ネタ」に様変わりしていた。
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プライドさえ捨てれば自虐の方が楽に決まっている。
ネットで一般人が罵詈雑言を書き込める現代において、人の悪口を公に言うには「力」あるいは「技術」が必要になった。
悪口を芸と出来るのは選ばれた人間なのだ。
「力」というのは、相手にも世間にも有無を言わさない圧倒的な権力のことである。これは大御所やご意見番と呼ばれる人にだけ許された特権だ。
対して「技術」というのは「悪口を言うべき人間かを見極める技術」であり、また「反撃を許さない程にひと太刀で相手を斬る技術」である。簡単に言うと「相手にも世間にも、有無を言わせないほど面白い悪口が言える技術」である。
口で言うのは簡単だが、芸能界で、今、この境地に辿り着いているのは有吉弘行ほか数人しか居ない。つまり余程の才能と運がないとダメだということである。
ならば、猛烈な頭の回転の早さで的確な悪口を言う才能がない人間は、一生プライドを捨てて自虐の沼で嗤われるしか無いのだろうか。
いや、何も本人に面と向かって口で言うばかりが悪口ではない。
芸を通じて婉曲に悪口を言うという手段はある。
たとえばモノマネである。
近時、モノマネ芸人に対して、モノマネされた芸能人のファンから抗議が殺到し、ブログが炎上するなどの騒ぎが頻繁に起こっている。そしてその都度「悪意をもってやってなどいません。私は○○さんのことが大好きで、リスペクトしているからこそモノマネしているんです」といったコメントが流される。
こういった表面的なやり取りは炎上をしずめるためのお約束とはいえ、あまり意味のあるものとは思えない。
もちろんモノマネというのは「モノマネされる本人」あっての芸なのだから、「この人がいるからこそ自分の芸は成立している」という敬意は必ず払わねばならない。
しかし、その人の特徴的なところを殊更にあぶり出し、笑える芸にするのだから、悪意がないわけはないのだ。
コロッケが野口五郎の真似をして鼻くそを食べるとき、そこに敬意しかないとは誰も思わないだろう。
モノマネは敬意と悪意、両方が無ければ、面白くならない、そういう芸だ。
ならば、胸を張って「悪意をもってやってます」と言えるくらい、振り切ったモノマネをすればよい。
二度や三度の炎上でくじけずに、悪意と同じくらい大きな敬意を持ってさえいれば、きっと世間はわかってくれる。
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坂上忍は悪口を言うことが許されている人間なのか、ここではそこは判断しない。
しかし、彼は現代において人の悪口をテレビで言うという修羅の道を選んだ。その勇気は評価されるべきだと思う。
ついでに言うと斬られ役として、野々村真を選ぶというチョイスもなかなか素晴らしいと思う。
もしかしたら、力も技術も及ばず、坂上忍バブルは哲夫の言う通り、ゆくゆくははじけるのかもしれない。
だが、それもギャンブラー坂上忍らしくていい。そう思うのだ。
2014.04.17 (Thu)
長澤まさみ出演台湾ドラマ「流氓蛋糕店(ショコラ)」
たまには気合いの入らない文章でブログ更新させてください。
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遅ればせながら、長澤まさみの台湾ドラマ「流氓蛋糕店(ショコラ)」を見ている。
流氓蛋糕店(ショコラ)
長澤まさみ、頑張ってるとは思う。でも、なんだろ。この感じ。
いや、もちろん私も言う程中国語ペラペラじゃないし、文句をつける資格は無いんだけど何だか見ていてつらい。
あれだ、あれ。
北尾のプロレスデビューだ。これは。
日本の報道で「長澤まさみ、猛特訓の成果でペラペラ」とかいう記事があったり、台湾人とか中国人のコメントでやたら「完璧だ」とか「素晴らしい」とか褒められてたので、見る前にすごくハードルが上がってしまったのだ(中華圏の人は自国語を勉強する人を不必要なくらい褒める傾向がある)。
何の予備知識もなくみたら、おお、意外としゃべってる、と思ったに違いない。
さながら、現役バリバリの横綱で、デビュー戦の前にプロレス雑誌でやたら持ち上げられながら、結果的には何だかしょっぱい試合で、ギロチンドロップでバンバンビガロに勝った北尾みたいなそんな感じである。
北尾が横綱じゃなかったら、事前に何のあおりもなかったら、相撲取りのプロレスデビューなんてこんなもんだよね、で終わったはずなのに。
人間は先入観に縛られた生き物だということを改めて実感した木曜日であった。
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遅ればせながら、長澤まさみの台湾ドラマ「流氓蛋糕店(ショコラ)」を見ている。
流氓蛋糕店(ショコラ)
長澤まさみ、頑張ってるとは思う。でも、なんだろ。この感じ。
いや、もちろん私も言う程中国語ペラペラじゃないし、文句をつける資格は無いんだけど何だか見ていてつらい。
あれだ、あれ。
北尾のプロレスデビューだ。これは。
日本の報道で「長澤まさみ、猛特訓の成果でペラペラ」とかいう記事があったり、台湾人とか中国人のコメントでやたら「完璧だ」とか「素晴らしい」とか褒められてたので、見る前にすごくハードルが上がってしまったのだ(中華圏の人は自国語を勉強する人を不必要なくらい褒める傾向がある)。
何の予備知識もなくみたら、おお、意外としゃべってる、と思ったに違いない。
さながら、現役バリバリの横綱で、デビュー戦の前にプロレス雑誌でやたら持ち上げられながら、結果的には何だかしょっぱい試合で、ギロチンドロップでバンバンビガロに勝った北尾みたいなそんな感じである。
北尾が横綱じゃなかったら、事前に何のあおりもなかったら、相撲取りのプロレスデビューなんてこんなもんだよね、で終わったはずなのに。
人間は先入観に縛られた生き物だということを改めて実感した木曜日であった。